【レビュー】稼ぐ言葉の法則|神田昌典

個人が自立して生きていくうえで、稼ぐ力を身につけることは避けて通ることができない。稼ぐ言葉の法則―「新・PASONAの法則」と売れる公式41」は、国内屈指のマーケターとして知られる神田昌典さんの本だ。神田さんはビジネス書の世界を変えた人ともいわれている。 「稼ぐ言葉の法則」は、タイトルのとおり、稼ぐためのテクニックや考え方が紹介されている本だ。いまではコピーライティングの技術としてあたりまえのように使われている「PASONAの法則」も、この本のなかで解説されている。読んでみると、売るための技術には知的な側面や芸術的な側面がたしかにあるような気がしてきて、そういうものにたいする好奇心がだんだんと刺激されてくるからおもしろい。売るという行為が、いかにテクニックによって左右されものなのかも納得させられる。ビジネスにかぎらず、スポーツや芸術にもテクニックは存在する。ただビジネスの場合、テクニックの使いすぎが顧客にとって害になることもある。本のなかではその点についての指摘もしっかりある。「顧客の痛みを自分の痛みとして感じられる感性」のもとにテクニックが使われなければ、そのビジネスが顧客の利益にならないだけでなく、売り手が自らの信用を失ってしまうことになり、ビジネス自体も健全なビジネスではなくなってしまうと。また、「儲ける」と「稼ぐ」のちがいについて説明されているところも興味ぶかい。「儲ける」は信者から利益を得ることを意味し、「稼ぐ」は家族に糧(かて)をもたらすこと、さらには地域を繁栄させることを意味するという。テクニックをいかに使うかで、じぶんのビジネスのすがたが変わってくると心にとめておきたいと思った。