プレゼンティーズムってなに?

体調が悪そうな女性

「うちの課の〇〇さん、最近なんか調子わるそうなのよ」

このごろ部下のようすがおかしい … 体調わるいのかな? なんて心配している管理職のひとも多いのではなだろうか。

思いあたることがあったら、あなたの部下もプレゼンティーイズムになっているかもしれない。

プレゼンティーイズムとは

プレゼンティーイズムとは、出社しているのにもかかわらず、心身の問題で満足なパフォーマンスを発揮できない状態のこと。

かろうじて出社はしていても、社員の職務遂行能力が著しく低下しているケースもあるので、近年、プレゼンティーズムは企業にとっては大きな損失と考えられるようになった。

プレゼンティーイズムは、深刻な病気だけでなく、花粉症や軽度のうつなども原因になることがある。

また、一般的にほとんど問題視されることはないが、失恋や死別などによる心の傷もプレゼンティーイズムに発展することがある。おそらく、おなじような経験をしたひともいるだろう。

プレゼンティーズムは、正当な理由のない欠勤や遅刻という意味の<アブセンティーズム>にちなんだ言葉だけれど、プレゼンティーズムがアブセンティーズムよりも深刻なのは、企業にとって潜在的リスクがより大きいといわれているから。

近年では「健康経営」の必要性から、メンタル面も含めた社員の健康管理をよりいっそう充実させようとする動きがある。

健康経営

従業員の健康増進と生産性の向上を目指す経営スタイル。「The Healthy Company」の著者であるRobert H. Rosenが提唱

プレゼンティーズムの対策

プレゼンティーズムの対策としては、まず第一に、長時間労働の是正やワークライフバランスの改善など、就労環境の見直しがもとめられる。

社員の健康マネジメントやストレスマネジメントに積極的にかかわる企業が増えているが、そういった取り組みもプレゼンティーズムの対策のひとつといえる。

近年こうした健康経営の流れは顕著であり、勤務時間外の喫煙について規定を定めたり、健康状態のチェックを義務化する企業や組織もあらわれてきている。

ただ、健康経営の問題には、会社がどれだけ社員の健康管理やストレス管理にかかわわることができるか、またかかわるべきかという問題もあり、課題が多いのも現状。

かりに社員がフィジカルあるいはメンタルの問題をかかえているとしても、上司に相談するとはかぎらないため、プレゼンティーズムを予防するには職場における日常的なコミュニケーションが欠かせない。

生産性だけでは語れないプレゼンティーズムの問題

会社は従業員に一生懸命に働いてもらい、なおかつ、より良いパフォーマンスをあげてもらうことが企業の利益になるので、プレゼンティーズムの問題も企業の生産性という視点で議論される傾向がある。

けれども従業員からすれば、残業だってしなければ仕事が追いつかないし、人手が足りなければ有給も取れない、おまけに休日出勤は当たり前なんていう状態で、多少の心身の問題があったとしても、がんばりつづけるしかない、というのが本音かもしれない。

プレゼンティーズムを生産性だけの問題として議論するには限界がある。

それは、「これまでどおり残業はお願いするし、有給もあまりあげられないけど、もっと頑張って結果出してね」といっているようなもの。

従業員の健康と幸せを考える、本当の健康経営の理念がなければ、プレゼンティーズムをいくら議論したところで、対策はむずかしいだろう。

とはいえ、上司がかわるだけで働きやすさがまったくちがうという話もよく聞く話なので、部下に仕事をがんばってもらいたい管理職のひとたちは、常日頃から部下の心の声に耳を傾けることで、プレゼンティーズムを未然に防ぐことを考えるほうが、おそらく賢明だろう。