禅の仕事術

蓮の花

禅の教えは仕事術としても応用できる有益なものです。また、禅の考え方は仕事に役立つだけでなく、精神にも安定をもたらしてくれます。

禅の仕事術を習得できれば、仕事で大きな成果を上げたり、難しい課題を解決することができるようにもなります。ここでは、ぼくがこれまでに学び、実践してきた「禅の仕事術」を紹介したいとおもいます。

 

禅の仕事術!押さえる基本はたった3つ

禅の仕事術はとてもシンプルです。つぎのことを実践するだけで、仕事の成果と問題解決能力は格段に上がります。

基本1:絞って選択する

仕事が多すぎる場合、すべての仕事に均一に力を注いだのでは、すべて中途半端におわってしまい、どれも大きな成果につながりません。あれもこれも手をつけてしまうと、エネルギーが分散してしまうからです。

まずは、自分が取り組むべき多くの仕事の中から、いちばん成果につながりやすいインパクトのある仕事を選択しましょう。

基本2:細かく分ける

取り組むべき仕事のハードルが高ければ高いほど、目の前の課題を細かく分けて、ひとつずつ解決していくようにします。

そして、細かく分けるときのルールは、1つの作業が自分にとってカンタンすぎるぐらい易しいレベルまで分けることです。細分化した作業のハードルが高いと、精神的なプレッシャーとなり、なかなか仕事に手がつかなくなるので注意してください。

基本3:ひとつのことだけに集中する

そして、禅の仕事術のなかで、もっとも大事なのは「ひとつのことだけに集中する」ということです。単純なことですが、これができると爆発的な集中力を生み出し、仕事が加速度的に進みます。

これが禅の仕事術の最大の強みであると、ぼくは考えているぐらいです。マルチタスクは一見、効率がいいように見えますが、エネルギーが分散してしまうのでよくありません。

また、近年の研究で、マルチタスクが精神にもあまりいい影響をあたえないことがわかっています。

ぼくのようにフリーで仕事をしていると、目の前の作業と、それにまつわる課題は、途切れることがありません。

そんな中でも、いま取り組むべき仕事や課題をはっきりとさせ、それを可能なかぎり小さなピースに分解して、ひとつひとつ集中して取り組んでいくと、不思議なことにいつのまにか大きな仕事を成し遂げていたり、困難な問題が解決できてしまっています。

ぼくは、もともとがそんなに優秀なほうではないですが、フリーでなんとかやっていけているのは、禅の仕事術を最大限に活用することができているからだとおもっています。

自分が成し遂げてきたことが数字でみえるようになると、大きな自信につながります。成果を上げ、課題をひとつずつクリアするごとに、自信はさらに深まり、強固なものになっているという感覚が、ぼくにはあります。

 

禅の仕事術は「今」に集中すること

禅には「今、ここ」という教えがあります。「今、ここ」の教えというのは、今というこの瞬間だけに意識を集中させなさい、という教えです。

「今、ここ」とおなじ意味の教えが禅にはたくさんありますが、その理由は、今に意識をおくということが、禅の教えのなかでは最大級に重要なことだからだとおもいます。

「今、ここ」の状態というのは、ひとつのことの没入している状態であり、「無我」の境地にいること。この状態を別の表現で、「フロー」といったりもします。

いまに集中するというのは、カンタンなようで、実はスゴくむずかしいことです。わたしたちは絶えず頭の中でさまざまなことを考えているからです。

ですが、そのエネルギーをひとつのことに向けたとき、とんでもない集中力を生み出します。

 

ひとつのことだけに集中するトレーニング

忙しい現代人は、無意識に「ながら作業」をしています。たとえば、テレビを観ながらご飯を食べたり、歩きながら音楽を聞いたり、例をあげればきりがないですね。

禅の仕事術をマスターしたければ、何でもいいので、簡単なことから、ひとつのことに集中するトレーニングをしてみることをオススメします。

たとえば、いつもテレビを観ながらご飯を食べている人は、テレビを消して食べることだけに集中してみる。歩きながら音楽を聞く習慣がある人は、歩くことだけに意識を集中してみる、といった感じでやってみるといいとおもいます。

これは禅の教えそのものです。禅の修行といっても、けっきょくは、今に意識を集中するということに終始するのだと、ぼくはおもっています。

これができるようになると、自然と目の前の仕事に集中できるようになり、頭のなかもスッキリして気分がいいものです。

忙しい生活を送っている人は、ひとつのことだけをするというのは、むずかしいことかもしれませんが、何事も最初が肝心ですので、まずは何かひとつの作業を決めて、それをするときは他のことはせずに、ただひたすら作業だけに集中してみてください。

トレーニングをするときの作業は、ただ食べるとか、ただ歩くとか、ただ歯を磨くとか、できるだけカンタンな単純作業のほうがいいです。うまくいけば、3週間ぐらいで、フローの感覚をおぼえることができるとおもいます。

フロー状態は、ただひとつのことの没入していることが快感のよう感じらえる状態です。ですから、そうなればシメタモノですね。ちなみに、ぼくの場合は、料理をするときだけは、なぜか無意識にフロー状態になりやすいです。

だから、仕事が忙しくても、米をかしいだり、野菜を刻んだりすることは、仕事のトレーニングのひとつだとおもって、できるだけするようにしています。

 

禅の仕事術は外国人のほうが積極的に取り入れてる?

禅はもともと、お坊さんが悟りを開くために日々の修行に取りいれていたものですが、いまでは仕事術としても注目されはじめています。

でも、わたしたち日本人が気軽に禅を学べる機会が少ないせいか、日本人の財産ともいえる禅は、むしろ外国人のほうが熱心に学んでいて、日々の暮らしや仕事に積極的に取りいれているのが現状です。

禅の教えを仕事に取りいれるという発想をはじめにもったのも、おそらく、日本人ではなく、外国人ではなかったかとおもいます。たしか、ぼくが最初に禅の教えに触れたのも、外国から逆輸入された知識でしたので。

近年の断捨離ブームや健康ブームで禅はふたたび注目をあつめていますが、仕事術としても、もっともっと見直され、活用されるべきではないかと、ぼくはおもっています。

禅の教えを学ぶことができる身近な書籍は、だんだんと増えてきていますので、禅の教えについて深く学んでみたい人は、ぜひ、そういったものも参考にしてみてください。