【トンマナとは】意味・使い方・実例を解説

トンマナ

トンマナとは、デザインや文章の”一貫性”のことです。

トンマナは、もともとはクリエイティブな仕事をする人たちのあいだで使われてきた業界用語でしたが、この頃ではビジネスシーンのふつうの会話の中でもよく使われるようになってきました。

そんなトンマナですが、じつはマーケティング戦略やブランド戦略においても重要な考え方として認識されはじめているんです。

というわけで、今回はビジネス用語として重要な意味をもつ「トンマナ」について、解説してみたいと思います。

トンマナの意味とは?

トンマナ=一貫性

トンマナは一貫性統一性という意味で使われている用語で、おもに広告やwebなどのデザイン分野で使われる用語です。たとえば、企業はコーポレートカラーを使ってロゴをデザインしたり、ホームページをデザインしたりしますよね。

トンマナはブランドを表現したり印象づけたりするための、ひとつの文脈のようなものでもあります。

統一感

トンマナの語源は「トーン&マナー」

トンマナの語源は「トーン&マナー」。英語で表記すると「tone and manner」です。トーンというのは、声のトーンや色彩のトーンというのとおなじで、「調子」のこと。

カラートーン

いっぽう英語のマナーは、「方法、やり方、作風、振る舞い、礼節」という意味です。

茶道

トンマナを守る

トンマナは最初に決めた方向性からブレないようにすることが何よりも大切。なので、一般的に「トンマナを守る」というような表現が使われます。トンマナを守るということは、最初に決めた方向性を守り、全体として統一性をもたせることです。

方向性をしめす矢印

トンマナの使用例

「デザインの外注先を探すよりもトンマナについて話し合うほうが先決だ」

「トンマナを守っていただければ、デザインはすべてお任せします」

「トンマナは前回のものを引き継いでください」

トンマナはなぜ重要?

トンマナがしっかりと守られていれば、高いマーケティング効果やブランディング効果が期待できます。

いっぽうトンマナが守られていない場合、ユーザーにたいする訴求効果が弱まってしまったり、不信につながったり、最悪の場合、批判の対象になってしまうことも考えられます。

うまくいっている企業ほどトンマナを大事にしているものです。

トンマナは最初に決めておくことが大事

コーポレートサイトやブログなどのwebメディアをスタートする際は、最初にトンマナを決めておく必要があります。

トンマナを最初に決めておかなければ、デザインや主張に一貫性が保たれず、その結果、なんとなく統一感がなく雑多な印象のメディアになってしまうでしょう。このことはマーケティングやブランディングの観点からもマイナスです。

トンマナを決めるのは、どうしてもメディアを立ち上げる前でなくてはいけません。というのも、コンテンツの数がふえてくると過去のコンテンツにたいして修正を加えるのに多くの手間とコストがかかってしまうからです。

メディアを立ち上げるときは、デザイン、配色、フォント、使用する画像、言葉づかいなど、十分に検討を重ねておきましょう。

トンマナの作り方の例

ではつぎに、トンマナの作り方について具体的にみていきましょう。

コーポレートカラーを使う

こちらは無印良品のwebサイトですが、トップページの「無印良品週間」のバナーがコーポレートカラーのエンジ色でデザインされています。

無印良品のエンジ色は、店舗デザイン、ポスター、パンフレット、買い物袋など、いたるところで使われています。

webサイトのほうでは、トップページのバナーのほか、アイコンのカラーや強調色としてエンジ色が使われていて、ちょっとしたアクセントの役割を果たしていますね。

イメージに合うデザイン・配色を取り入れる

トンマナは業種やブランドのイメージに合わせることが大切です。webデザインのトンマナが世間一般のそれと、あるいはブランドのそれと大きくかけ離れているのは、自サイトにとってマイナスになることのほうが多いかもしれません。

たとえば、病院のホームページがケバケバしい原色ばかり使っていたら………患者さんの安心にはつながらないですよね。

やはり、病院のホームページであるならば、あまり派手な色使いはしないほうが、おそらく無難でしょう。配色はメディアの印象を左右する重要な要素であるだけに、慎重に決めたいものです。

病院やクリニック、公共機関などのホームページであれば、派手なデザインや色使いが不似合いであることは言うまでもありませんね。

トンマナが世間一般の常識からかけ離れたものであってはいけないというのは、当たり前のようですが、けっこう重要なポイントです。

文章表現を統一させる

文体

マーケティングノウハウを提供するバズ部というサイトには多くのコンテンツがアップされていますが、文末がすべて常態(ですます調ではない「~だ」など)で統一されているのが特徴。

多くのwebサイトの文章表現は、敬体(文末がですます)が一般的ですが、常態の文章は読み手に共感をあたえ説得力をもたせたいときに有効な表現といわれています。

バズ部のように、メディアの文体表現を統一することもトンマナのひとつです。

表記

webサイトの表記はさまざまな表記が混在しがちになりますが、トンマナを守ることで統一感が生まれます。

数字は全角を使うのか半角を使うのか、固有名詞につけるカッコはふつうの鍵カッコなのかそれとも二重鍵カッコなのといったルールをあらかじめ決めておくとよいでしょう。

ほかにも、よく使う単語の表記などは最初にルールを決めておくなどしてもよいかもしれません。

たとえば、漢字を使うか平仮名を使うかで迷うことがよくあると思います。

たしかNHKでは、複数の漢字が存在する言葉は平仮名で表記するというルールがあると聞いたことがあります(いまは変わっているかもしれません)。

これもトンマナといえますね。

文字の強調と装飾

webメディアでは文字の強調と装飾のルールを決めておくと統一感が生まれるだけでなく、ユーザビリティも向上します。

字数

「Yahoo!ニュース」の見出しはスペースも含めて13文字と決まっていることは有名ですが、あらかじめ字数を決めておくこともトンマナのひとつです。

画像サイズを統一する

webサイトのアイキャッチ画像や文章中に挿入する画像のサイズを決めておくことも全体の統一感につながります。

トンマナとは、本来はルールではなく方向性を示す用語なので、細々としたルールを決める考え方とはあまり馴染まない場合もあります。

忘れられがちな「マナー」

トンマナの由来は「トーン&マナー」であることを先に紹介しましたが、トンマナは「トーン」ばかりでなく「マナー」のほうもおなじくらい大事です。

ある企業はお年寄りを対象にしたwebサイトのロゴを外注し、とても素敵なデザインが出来あがったのですが、そのデザインは菊の花をモチーフにしていたため、修正を依頼せざるをえませんでした。

これは、トンマナの「マナー」のほうに問題があった事例です。

最近は企業や公共機関のCM・ポスターなどがつぎつぎとSNSで炎上する時代なので、自社のメディアに配慮を欠いた表現が使われていないか、複数の人の目でチェックすることが大事です。

会議の様子

トンマナをチェックする際の注意点

web業界ではユーザー像を具体的に想定することをペルソナを設定するといい、この考え方が重視される傾向がありますが、トンマナにこの考え方をあてはめてしまうのは、ちょっと危険です。

SNSで炎上する広告表現をマナーの観点からみた場合、ペルソナ的視点では問題がない場合がでてくるからです。

だから、トンマナを設定したりチェックしたりする際にもつべきは、ペルソナ的視点ではなく「最大公約数的視点」であると、わたしは思っています。

最大公約数的視点というのは、つまり、より多くの人の共感が得られるかどうかをチェックする視点です。

最大公約数的視点は、SEOにおいても重要な視点といわれているので、トンマナについて考えるときは、ぜひ参考にしてみてください。

おわりに

「トンマナって、ただ雰囲気を合わせればいいんでしょ?」

「トンマナって、デザインのルールのことだよね?」

こうした理解はまちがいではありません。

しかし、トンマナはメッセージを伝えたりブランドの世界観を表現するうえで重要な働きをしますし、マナーをもとめられるので作法にも似ています。

また、理念や思想を伝えるための手段でもあるので、コンテクスト(文脈)という考え方にもちかいような気がします。

このように、さまざまな意味合いをもつトンマナを自在に使いこなすことが、マーケティング戦略やブランド戦略において効果的であることはまちがいありません。

いまは個人がそれぞれにメディアをもって情報発信をする時代になっていますが、そんな時代において、トンマナは非常に重要な意味をもつと考えられます。

今回は、わたし自身がトンマナについて理解を深めるという目的もあり、このようなかたちで用語を解説してみました。

拙文を最後まをお読みくださり、ありがとうございました。