サウダージ

ボサノバの父と呼ばれた音楽家の死が今朝ニュースでつたえられた。

アントニオ・カルロス・ジョビンとヴィニシウス・ヂ・モライスとともにボサノバという音楽をつくりあげたその音楽家の名はジョアン・ジルベルト。

世界中でどれだけ多くのミュージシャンが彼のギタープレイとささやくような歌い方をまねしたのだろうか。

彼が世界の音楽にあたえた影響ははかりしれない。

かつて日本にもボサノバブームがやってきたときがあった。

ジョアン自身も何度か日本を訪れてコンサートをおこなっている。

彼は日本人が自分の音楽を理解してくれるすばらしい聴衆だと感じたらしく日本を気にいっていたようだ。

2000年代にもジョアンは東京でコンサートを開いている。

わたしはなんとかコンサートチケットを手に入れたが、そのころはまったくお金に余裕がなく、12000円の買い物にも躊躇した。

結局わたしはチケットの購入をキャンセルしてしまった。

それ以降にもジョアンは日本でコンサートをやろうとしたが、こんどはジョアンのほうがキャンセルした。

だからわたしが手放したチケットは事実上、ジョアンが日本でおこなった最後のコンサートチケットということになる。

世界を魅了した吟遊詩人の音楽を、ぜひ生で聴いてみたかった。

しかし、ああすればよかったとか、こうすればよかったとかいうのは、感傷にすぎない。

切なさ(サウダージ)はボサノバの魅力のひとつでもあるのだけれど。

きょうは世界中でジョアン・ジルベルトの音楽がながれる一日となりそうだ。