『この世界の片隅に』の”わらべうた”が美しい

桜

和のイメージ

ドラマ『この世界の片隅に』の劇中でたびたび歌われる美しい”わらべうた”。印象的なメロディーと歌詞が気になっている人も多いのではないでしょうか。

登場人物たちが何度も歌っているのを聴いていると、いつのまにか頭から離れなくなって、つい口ずさみたくなってしまいますよね。

どこかで耳にしたことがあるような、懐かしさを感じさせる”わらべうた”ですが、あの歌はドラマのために作詞・作曲された、『山の向こうへ』という歌なのだそうです。

 

『この世界の片隅に』の”わらべうた”は歌詞が印象的

『この世界の片隅に』の”わらべうた”は、歌詞がとても印象的です。

よるになったからす~
そらになれぬうさぎ~

とはじまる歌詞は、なんともいえない趣がありますね。

だれが作詞したのか、さっそく調べてみると、岡田惠和さんという方の作詞であることがわかりました。岡田さんは音楽評論家や脚本家としても活躍されている方です。

歌詞自体にはとくに意味がないように聞こえますが、ドラマのイメージにはピッタリ合っていて、作品をひときわ印象づける大切な役割をになっています。

抽象的な歌詞は、聴く人の想像の世界をふくらませてくれる余白がいいですね。

 

『山の向こうへ』の作曲は久石譲さん

『山の向こうへ』を作曲したのは、ジブリ映画をはじめ、数々の映画音楽を制作してきた久石譲さん。久石さんといえば、もう説明の必要はありませんね。

この曲の「あのや~まの~」のあたりのメロディーはやや現代的で、ジブリっぽくもあり、久石さんらしさを感じる部分でもあります。

 

『山の向こうへ』は宮沢賢治がつくった”わらべうた”に似ている?

さて、ドラマ『この世界の片隅に』の”わらべうた”ですが、どこかで聞いたことがあるような懐かしさを感じた人も多いのではないでしょうか。ある意味、そこが製作者の狙いでもあるとおもうのですが。

ちなみに、ぼくが最初にドラマのなかで歌われている『山の向こうへ』を聞いたときは、宮沢賢治がつくった『星めぐりの歌』という”わらべうた”に似ているとおもいました。

宮沢賢治は童話『銀河鉄道の夜』などで有名ですが、絵や音楽の趣味があったことでも知られており、童謡作品も残しています。それが『星めぐりの歌』です。

2つの作品の出だしの歌詞に注目すると、『山の向こうへ』は、

よるになったからす~
そらになれぬうさぎ~

いっぽう、『星めぐりの歌』は、

あかいめだまのさそり~
ひろげたわしのつばさ~

どちらの歌詞にも、人間以外の生き物が描かれていますね。

また、メロディーの全体的な雰囲気も、ふたつの”わらべうた”はとても似ているような気がします。もちろん、酷似というほどではありませんが。

久石さんは以前、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の世界を描いたイメージアルバムを制作していて、それが人気になったことがあります。

なので、もしかしたら、今回の作品も宮沢賢治の”わらべうた”にインスパイアされたのかもしれませんね。興味がある人はYouTubeで聴きくらべてみてください。聴く人によっては、あまり似ていないと感じるかもしれませんけど。

”わらべうた”は日本人の精神文化の歴史でもありますので、たくさんの人がその美しさや素晴らしさに気づくといいですね。

 

ドラマ『この世界の片隅に』のサントラが発売されています

ドラマ『この世界の片隅に』のオリジナル・サウンドトラックが発売されています。『山の向こうへ』は、松本穂香さんが歌うバージョン、インストゥルメンタルバージョン、それにカラオケが収録されています。

こちらも、興味がある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。